俳優
劇団ざくろう 所属、 演劇ユニット石川組 所属
高校演劇部と、高校生劇団(当時)からスタートし、ほかの劇団にも所属し、外部出演もなさり始めたところ。
2024年4月にお話を伺いました。
去年に引き続き、演劇ユニット石川組で 6月に野外劇をやるので、それの稽古が始まったところですね。今月から。
そうですね。今は1本だけです。
ああ、そうですね。 まだ会場が押さえられていないんですけど、一応、予定では12月。今年度中にはできればなとは思ってます。
基本的にその台本を読む稽古にすぐ入るんですけど、 でも、それでもなんかすぐキャスト決めずに、いろんな役で、もう男女とかも関係なく、色々読んでみてから決めるみたいな感じでやってて。楽しくというか、なんか 何も「やるぞー!」みたいな感じじゃなくても、すごい、みんなその本読みの段階からでも、その台本を楽しんで読んでるみたいな 感じなので、だからそれに乗せられてというか、勝手になんかみんな面白くなるみたいな感じですね。
そうですね。うん、すごい緩くやってます
演出は去年も長谷野勇希さんがやってて、今年も変わらず野外劇は長谷野さんの演出で。 で、実は作品も一緒で、石川裕人さんの『修羅ニモマケズ』を別メンバーで数名役を入れ替えてもう一回やろうっていう。
今年はいろんな場所に。前回は仙台市内というか近辺だったんですけど。
でも、遠くても閖上とかで、あとはもう仙台市内みたいな感じだったので。今回はもう県外まで。
それこそ、三角フラスコさんで。あそこで、劇団無国籍さんが、元々、岩手の出身というか、それで、一緒になんか 試しにやってみようみたいなので、岩手に行ってが初ですかね、県外行くのは。
はい。
はい。
そうですね。なんかある程度やりたい方向性みたいなのは決まってて、ただ、助成金がまずまだ取れてないっていうのと、会場もちょっと 場所は、取りたい場所は(せんだい演劇工房10-BOX)box-1で決まってるんですけど、まだ12月以降にやるってなると6月受付になるかなっていう感じなので。どうなるか。
でもちょっとずつやりたい企画はあって、なんかざくろうは元々高校との繋がりのある劇団なので、 その北芸の生徒たちと一緒にできればいいなっては思ってるんですけど。 でも、そこらへんも全然まだ学校側と話せてなくて、うん、どうなるかっていう感じではあるんですけど。
そうですね、今はもう、現状だと卒業生しかいないので。うん。せっかくなら一緒にやりたいなっていう。
中学生の3年の、進路とかを決めないといけない時期に、アニメを見てて、 西尾維新さんの物語シリーズ、『化物語』とかの、物語シリーズのアニメを見てて。それで、そのシリーズの中ですごい好きなキャラクターが いて、詐欺師の役なんですけど、その話の途中で 中学生の女の子を説得するみたいなシーンがあって、 最初はなんか詐欺師として、すごい薄っぺらい言葉で、もう抑揚とかも全部ない、なんかすごい一辺倒な喋り方をしてるみたいな感じなんですけど、途中から本気になってきて、感情がちょっとずつ入っていくみたいな。 それを見て、なんか すごい衝撃を受けて。それで、自分もこういうことやってみたいなというか、アニメでその声をやってみたいなみたいなところから、単純に芝居が好きになったというか、 やってみたいみたいなところからですね。
そうですね、もともとアニメとかを、やりたいなっては思ってました。
それこそ北芸に入ってから、 この、色々先生たちから聞いたりとかして。あとは、 その時、入ってすぐぐらいはコロナ前だったので、色々、まだ『高校生と創る演劇』とか、そういう演劇の企画が色々あったりとか。あとは、それこそ自分が入学した年に劇団ざくろうの旗揚げだったので、そういうのもあって、 実体験と共に、みたいな。
そうですね。なんか俳優が基礎になって、そっから派生して声優に行くんだなみたいな。
初めての舞台でいうと、北芸の演劇部が実際のところ、初めてですかね、舞台に立つ。その時は、卒業した先輩の創作台本で、 メイドカフェの3人が、切磋琢磨してアイドルになるみたいな。
そうですね、
そうですね、全然わからずというか。でも、ただ、楽しいなみたいなのはあって。舞台上でセリフを言うのが楽しいみたいな、そういう遊び感覚的なところでしたね。最初は。
ざくろうですね。ざくろうで第1回公演『みちのりのまじわり』 をやったのが外部としての活動です。2019年の1月ですね。
はい、そうですね。
それこそ10-BOX っていう、その小さいハコというか、そういうところでやるのが、それが初めてで。
今までは演劇部も大ホールだったり、あとは学校の行事も、他のコースに合わせてとかだったりするので、300~500席とかの大ホールをとってやるみたいな感じだったので、あそこまでお客さんとの距離が近くて芝居をするみたいなのは初めてで、 新しい感覚でしたね。
お客さんの顔が見えてくるので、 そうなると、初めてだったのもあって、その、目線が。なんかお客さんと目を合わせた時に、「ああ、目が合っちゃった」みたいなことがあったりもしたんですけど、なんかやってる間に に、その、集中できてきて、あんまり気になんなくなってきた日もあったりして。ただ、バラバラでしたね。
2019年の3月に、『ナイゲン』がありました。北芸以外の人と芝居をするっていうのが、それが初めてだったので、新しい刺激ももらって。で、『ナイゲン』自体話としてすごい面白い作品で。同世代と作るみたいな感じがすごい楽しかったですね。
その、ざくろうとかでも結構違う世代のゲストみたいな方々とは作ってて。それ以外、大人たちというか、別世代の人たちとがっつり作ったのは石川組の、 それこそ去年が初めてですかね。大人の方が多いみたいな。
榴ヶ岡だったり、錦町、閖上……。
やっぱりなんか在学中は基本的に高校生と作る機会が 同世代が多かったですね。
うん、結構何個かあるんですけど。これで演劇っていいなって思ったのは、ざくろうの第一回の『みちのりのまじわり』ですね。小劇場で、囲み客席、舞台が三角形で、照明とかもすごい凝ってっていうので、今まで、それこそ演劇部とかではなんか 味わえないような舞台の使い方とかですね。
舞台とかを組んでも、結局自分たちで10分とかの間に準備して、片付けて、みたいな のがあったので、あんま作れないよねっていうのもあったりとか。照明とかも自分たちで操作だったので、なんかあんまり難しいのできないよねっていうのもあって。『みちのりのまじわり』で、すごい綺麗な舞台だったので、
そうですね。
自分的には、うん、困ってることは全然なくて。で、逆にすごい助かってるというか、良いことというところだと、なんか石川組の方がすごい。なんか、なんて言うんでしょう。ガツガツその、次の企画、次の企画っていっぱい企画があるので、なんかいっぱい舞台に立てるのがいいですね。で、その合間にざくろうもやってみたいな。今のざくろうじゃできないことを石川組の方でやってる。野外劇とか。
去年とかも石川組で、文学館の石川裕人さんの展示会の企画出たりとかの、入ってからしか経験ができないようなことをやらせてもらってたので、そういうところはすごい入って良かったというか。あの時はすごい忙しかったんですけど。あの時期がちょうどフラスコの やつとも被ってたりして。なので、10月から2月のワンコインシアター(vol.14 Reading Stage『ホダニエレーガ』)まで5か月連続でで、ずっと本番があるっていうのがあったので、やる前はすごい不安というか、 だったんですけど。でも、やり終わって今となってみると、なんかそこでしかできない経験というか、そういうのができた感じがして良かったなっていう。
丹野久美子(I.Q150)さんと茅根利安さんのお芝居がすごいっていう(笑) 演出の。伊藤み弥さんの演出もすごい、なんていうか、お客さん目線ですごいわかりやすく見せるみたいな、そういう見せ方もすごいなって思ったんですけど、何よりもお2人の芝居が。
自分と、あと片倉久美子さんが一緒だったんですけど、後ろでずっと座って、で、出番の時だけ出てくっていう感じだったんですけど、ラストシーンの方は座って見てるところが多くて。その時に普通に、見てて後ろから泣きそうになって。稽古とかでずっと見てきてるのに、本番最後泣きそうになって。「まだ出番あるのに」って。それぐらい、前から見てたら絶対泣くだろうなっていう。
ワンコインシアターの監修が八巻寿文さんで、多分石川組をご覧になっていて。八巻さんから「この役は遥くんがいい」と。なんかあとは終わってから聞いたんですけど、たんくみさんとちのねさんと一緒に、出したい、っていうのが最初あったらしくて。あのお2人はもう安定して、絶対に面白いから、 なんというか、危険分子として? まだどうかわからない、みたいな子を入れてみたいっていうので、 八巻さんから指名してくださった、ということらしいです。
一応、石川組が年2回やる予定なので、秋にももう1回、石川組で本公演を、やる予定ではあるんですけど、そっちはまだ何も決まってない。本当に何も決まってない状態、会場だけ押さえてあるみたいな。
なんというか、うーん、いろんな団体とか、いろんな年代とかで……。いつかきっとできるのかなっては思うんですけど、 なんか、いろんな団体で、石川さんの作品をやる、祭りみたいなのが、あっても面白いのかなっていう。
今のそれこそ若手だけの団体とかでも、普通にいろんな劇団の人たちを集めて、一緒の作品を作るとかもいいんですけど、いろんな人たちでなんかひとつの作品をやってみたいなっていう。
そうですね、なんかでも、 それこそ石川組の人たちはすごい積極的に話を聞いてくれるので、こういう提案をしたら多分「じゃあいつかやろう」みたいなのは多分みんなで考えてくれるかなっては思うので、そこで一緒になんか色々やっていけたらなっては思います。
すごい優しい、ところと。そうですね、優しさが見えるのが。
あとは台本をやってて、 どんなにふざけても成立するんだなみたいな安心感、があるのが。
言葉さえ聞こえてれば、なんかどこまで脱線しても帰ってこれるみたいな。
役者として、お客さんに言葉を伝えるみたいなところと、目の前でちゃんと相手の言葉を聞いて芝居をするみたいなこと、ができてれば、なんかどんなにバカ騒ぎしても成立してしまうみたいなシーンがあるのが。
作品の言葉に安心感があるのが大きいですかね。今までやってきた戯曲が全部そうなんですけど、なんか言葉がすごいなんか安心感がある言葉というか、いろんな角度から言い方とか、あとはその日の調子で言い方とかが変わっていくんですけど、それでもなんか成立するみたいなのが すごいやってて楽しい感じが。
自分的には、基本的に、相手と合わせつつ、このシーンはこうやっていきたいよみたいなのも提案しつつ、みたいな感じなので。一回、自分の思うやり方をやってみて、なんかちょっと違うなみたいなのがあったら変えてみたりとか。 うん、流れもあるんですけど。
あんまりなんか意識して脱線みたいなのはないですかね。なんか 意識して脱線しちゃうと、自分の中の説得力がなくなっちゃう感じがして。
流れに任せて? 自分が結構演技で大事にしてるのが、説得力、言葉の説得力みたいなところだったので。だから、その流れの中で急に変わったりとかすると、なんか自分の中で説得力がなくなっちゃう感じがして、あんまり、やらないはやらないんですけど。なんか流れの中でここ乗ってきたなみたいなのがあったらやったりとかしますね。いつもと違う。それが結構本番であったりするんで、多分周りの人は危ないなっては思うんですけど、「セリフはちゃんと喋ってるから許して」って思いながら。
うん、そうですね。三角フラスコ『暗がりにほうる』の時もそうだったんですけど。冒頭のシーンで木のところに最初に一歩近づいたタイミングで涙が出てきて。 あれ。って思って、多分そういう、自分でなんかやろうと思ってないけどなっちゃったみたいな時が結構あるので。
そうですね。本番の時は、あんまり、やってやろうみたいな意識はなくて、今までの稽古がしっかりあるので、 そこも信頼して、あとはその共演者の人達というか、周りの人たちを信頼して、やった、結果みたいな感じなので。
そうですね、なんか自分の中で、本番だけはもう一回一回自然な、なんかいちからやるみたいな。
その、役者って、セリフを覚えるために台本全部読んで、最後の結末とかもわかってる状態だとは思うんですけど、その結末がわかってる状態で、そこに計算して、なんかこの時はこうみたいなのが自分はすごい苦手で。なんか考えるのが苦手で、その結末までにここでこう見せてみたいなのが苦手なので、だったらもう毎回新しい反応でちゃんと言葉を聞いてやっていこうみたいな。 それを最近すごい意識してます。
さて、そろそろ終わりも近づいてきました。そういえばこういうこともあの時喋っておけばよかったかもしれない、ということとか、おありですか?
あー。多分、話しきった、と思ってます。
単純にこういう記事を見たいのは丹野貴斗さんなんですけど、でも、貴斗さんは、結構もうなんかすごさが知れ渡ってる感じが。自分の近くだけのことなのか分かんないんですけど、 それこそ去年の『INDEPENDENT:SND23』(一人芝居フェスティバル。丹野貴斗さんは『精神戦士カウンセリンガー』で出場)とかを見てた人は、あいつすげえぞみたいな。結構、もう、あるのかなっていう。すごい面白いので。
去年の文学館の展示の企画でも一緒に出たんですけど、その時も、ほんとにすごい真面目にふざけたことをやってるので、「いいなあ」って。
ありがとうございました。
2002年11月1日生まれ
2018年劇団ざくろうの旗揚げメンバーとして本格的に演劇活動を開始
2020年に「高校生と創る演劇『又三郎』」にて石川裕人氏の作品と出会うが、本番1か月前に感染症の影響で中止になってしまう。高校生と創る演劇メンバー全員のなんとか形にしたいという思いから、同年に石川氏の別作品『人や銀河や修羅や海胆は』に変更をして上演。以降も『演劇に愛をこめて』『修羅ニモマケズ』と立て続けに石川氏の戯曲と関わり、縁あって2023年に演劇ユニット石川組に加入
「演劇をとにかく楽しむ」ために日々成長中
最近のお気に入りの言葉
「日常的な会話でも舞台の上は非日常」
最近の出演作品
・演劇ユニット石川組第4回公演「修羅ニモマケズ」 ケンジ役
・劇団無国籍×三角フラスコ合同公演 三角フラスコ『暗がりにほうる』キセキくん役
・ワンコインシアターvol.14 ReadingStage『ホダニエレーガ』
X(Twitter) @Haru_Rabbit_11
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note 劇団無国籍×三角フラスコ合同公演 田川遥「よこまこ生まれ、よこまこ育ち」